2015年10月中旬。
僕26歳
彼女35歳
彼女とは気まずい雰囲気のまま、
僕は日々を過ごしていた。
当時は本当に会話もなく、
とにかく家の中に一緒にいる。
そんな環境が苦痛で仕方なかった。
でも、同棲を始めてすぐに
実家に帰る、という事は
プライドの高い僕にとっては、
到底無理な話だ。
なんとなくで日々を過ごす。
そんな時間を過ごしていた。
そして、
イライラしてどうしようもなくなった時、
僕はパチンコへ行くようになっていた。
1万、2万、3万と、
いく度に使う金額が増していた。
そして、生活費の事は
考えていなかった。
それ以上に、
ストレス発散にはパチンコが一番。
当たり前のように、
そう思って過ごしていた。
ある日、仕事から帰宅すると
彼女が珍しく起きていた。
僕「…ただいま」
彼女「おかえり」
あああああ…
この気まずい雰囲気が
どうしようもなく苦痛だ。
僕は足早に風呂に入ろうとした。
その時、
「話たい事があるんだけど…」
彼女がそう僕に伝えてきた。
別れ話か?
そう思った僕は、
ダイニングテーブルに座り、
話を聞く姿勢をつくった。
僕「話ってなに?」
そう聞く。
そして気まずい沈黙が流れる。
頼むから…
この沈黙だけは、
やめてほしい…。
彼女「…きた」
僕「え、なに?」
彼女「子供が出来た」
彼女はそうはっきりと、
僕の目を見て伝えてきた。
僕「…子供?!」
彼女「うん…」
まさかの告白に動揺を隠せない僕。
子ども…?
僕の子ども…。
頭が真っ白になる。
彼女「私最近体調が悪くて、調べたの。
そうしたら、出来てた。」
僕「…産みたい?」
今考えると、本当にひどい事を
彼女に聞いてしまった。
なんというか、
どうしたらいいのかわからなかったんだ。
彼女「うん」
そういって、泣きそうな表情で
僕に視線を送る彼女。
……
僕「頑張って、育てよう」
そう僕は、答えていた。
その後、
同棲してからの二人の関係が
良くなかった事、
互いに何を考えているか
分からなかった事、
そんな事を素直に話すことができた。
彼女は不安だったらしい。
同棲すぐに発覚した妊娠。
体調もすぐれない中、
僕が冷たくなったと感じていたとの事。
僕はそんな事も気づかずに、
自分のイライラを彼女へ当たっていた。
そんな自分の情けなさを痛感し、
彼女に対し申し訳なさを覚えた。
好きだから付き合った。
好きだからプロポーズした。
好きだから同棲した。
そんなシンプルな事を
僕は忘れかけていたんだ。
僕「ごめん。」
プライドが高かった僕。
その時は正直に謝ることがきできた。
僕に子どもか…。
実感は湧かないが、
とにかく彼女との関係修復。
それが今できる最善の選択だと考えた。
しかし、
僕の脳みその歯車は
既に狂い始めていた。
ストレス発散は
パチンコで。
#嫁あり。子あり。持ち家あり。1000万の借金有。